大阪府箕面市に本部を置く「社会福祉法人あかつき福祉会」からのお知らせと最新情報
兵庫県立福祉のまちづくり研究所を見学しました!
2014/10/21 16:42:33 Tue.
箕面市立障害者福祉センターささゆり園生活介護事業では、重度重複障害のある方達の「このまちで自分らしく暮らしたい」を実現するため、先駆的実践をされている先進都市調査を実施していますが、今年度は10月8日に神戸市西区にある兵庫県立福祉のまちづくり研究所を見学させていただきました。
同研究所は、社会福祉法人兵庫県社会福祉事業団が指定管理事業者として経営されている総合リハビリテーションセンターの中にあり、広大な敷地の中には、県立リハビリテーションセンター中央病院や障害者スポーツ交流館ほか、様々な施設・機能が併設されており、リハビリの県域中核施設として、高度で専門的なリハビリを中心に、保健・医療・福祉の総合的なサービスを提供されています。


ご案内いただいたのは、研究第一グループの大西俊介特別研究員さん。実は学生時代の先輩で、お会いするのは30年ぶり! 西へ東へご講演されている超ご多忙の中、貴重な時間を頂戴し、ご説明いただきました。研究所の機能は大まかに2つあり、1つは研究で、研究開発や政策提言、障害当事者の方々の自立支援に向けた様々な義肢装具の開発をされています。もう1つは研修で、高齢者や障害者支援関連研修や福祉用具・住環境改善等の普及研修を実施されています。

社会リハビリテーションの一環である障害者スポーツ交流館の2階、障害のある方が優先ですが、地域の方も利用できるトレーニングジム。
写真下左は、視覚障害のある方用のトレーニング用タンデム自転車。写真下右は、兵庫県内でここにしかない車イスマラソン用のトレーニングマシン(車イスマラソン用の車イスは、前輪が1輪で、奥にある黒い支柱にその部分を固定するそうです。勿論、特注品!)

低床バス用の車イススロープが常設されているバス停(すべてのバス停にあれば!!) その下の写真の路面案内板は、実際に視覚障害のある方達に立ち会って頂き、どの位置に案内板があれば見やすいのか、という検証に基づき開発されたそうです。環境整備の重要性、勉強になりました!


昼食は、多機能型事業所「あけぼのの家」さんのパン! 噂にはお聞きしていましたが、これ、本当に美味! 「『福祉だから』で買って頂くようではダメ、本当に美味しいモノをつくろう!」という思いで、実際にプロのパンやさんに助言いただいたそうです。職場のお土産にクッキーやラスクを買って帰ったのですが、翌日には無くなっていました。通販はされていないのでしょうか?

福祉用具の展示コーナー。様々なタイプの車イス、特殊食器、意思伝達装置、介護用リフトなど、ないものはないのではないかと思えるほどの福祉機器が展示されていました。(チタン製チェアスキーも展示されていましたが、最新のチェアスキーは、レーシングカーと同じカーボン製とのことでした。)



篠山市にある株式会社「おめめどう」さんが開発されたコミュニケーションメモ帳。沢山の種類があります。写真下右側のメモは「どうしてメモ(氷山モデル)」で、おにぎりの形の線より上の部分に結果を、下の部分に理由を書きます(例.上:家で遊びます、下:雨が降っているからです)。もう1つの使い方は、困った事を共有、解決を探るツールとして活用します。氷山は水面下に大部分が隠れています。そこで、上に困っていることを(人を叩く、つばをはく)、下に原因や理由(コミュニケーションがとれない、要求や拒否が言えない、感覚過敏)を書き込み、当事者、支援者双方の「とうして」を探る手がかりにします。 う~ん、よくできてます。

重度重複障害のある方達が、障害のない方達と等しく地域で「普通に暮らす」ためには、様々な課題があります。中でも住宅確保はとても切実な課題で、昨年8月に見学させていただいた横浜市の社会福祉法人「訪問の家」さんのグループホーム(重心の方が暮らされることを前提に、住宅を設計、建築)にも感動しましたが、今回の見学の1つのメインがこの「テクノハウス神戸」です。完全バリアフリーはいうまでもなく、障害のある方達が生活する家として、様々な工夫が随所に施されていました。



写真左の白い警報器は、視覚・聴覚障害のある方へ火災警報をお知らせする臭気(わさび臭)発生装置で、建物内4箇所に設置されています。写真下右は、コントロールモニターと息の吹きかけ・吸い込みで起動するスイッチです。

ワイヤレススイッチで自動開閉できる窓、ちなみに玄関ドアもワンタッチで自動開閉、施錠が可能!!

視覚・聴覚障害のある方が建物全体の施錠状態を把握できるボード

トイレも様々。写真左上は、上下可能式のトイレ。写真下のお風呂も左右の台が可動するため、どちらからでもアプローチが可能!


最後に教えていただいたのは、自閉的傾向のある方へのコミュニケーション補助ツール、任天堂DS「あのね」。直接任天堂にかけあって協同開発されたそうです。会話補助(入力語句のおしゃべり機能)やスケジュール登録管理、タイマー機能(次のスケジュールまでの残り時間掲示等)、写真の取り込み等が可能なスグレモノです。だれでも安価で購入できるゲーム機という発想も凄いのですが、スマホやタブレットと違い、壊れても修繕が安価という、実際の使用後を想定し、メンテ経費まで考え、開発された点が何より凄い!。「ないものは作ったらエエねん」と一言。かっこ良すぎます。

ここには掲載できないほど、沢山の発見がありました。実際に現地へ出かけ、実感すること、やはりとても大事であると再認識しました。利用者さんも職員も、施設にこもりっきりではあきまへん。
大西先輩! 本当にありがとうございました。重度重複障害のある方達が住み慣れた地域で、安心、安全、人として「普通に暮らす」ことを実現するためのイメージが見えてきました。同行させていただいた若手スタッフにとっても、大変良い刺激になりました。恐らくすぐ(?)相談に伺いますので、これからもご指導、ご助言をお願いいたします!! 「ないもんは作ったらエエねん」・・・・。このフレーズ、使わせて頂きます。
(ささゆり園 園長 加藤)
同研究所は、社会福祉法人兵庫県社会福祉事業団が指定管理事業者として経営されている総合リハビリテーションセンターの中にあり、広大な敷地の中には、県立リハビリテーションセンター中央病院や障害者スポーツ交流館ほか、様々な施設・機能が併設されており、リハビリの県域中核施設として、高度で専門的なリハビリを中心に、保健・医療・福祉の総合的なサービスを提供されています。




ご案内いただいたのは、研究第一グループの大西俊介特別研究員さん。実は学生時代の先輩で、お会いするのは30年ぶり! 西へ東へご講演されている超ご多忙の中、貴重な時間を頂戴し、ご説明いただきました。研究所の機能は大まかに2つあり、1つは研究で、研究開発や政策提言、障害当事者の方々の自立支援に向けた様々な義肢装具の開発をされています。もう1つは研修で、高齢者や障害者支援関連研修や福祉用具・住環境改善等の普及研修を実施されています。


社会リハビリテーションの一環である障害者スポーツ交流館の2階、障害のある方が優先ですが、地域の方も利用できるトレーニングジム。
写真下左は、視覚障害のある方用のトレーニング用タンデム自転車。写真下右は、兵庫県内でここにしかない車イスマラソン用のトレーニングマシン(車イスマラソン用の車イスは、前輪が1輪で、奥にある黒い支柱にその部分を固定するそうです。勿論、特注品!)


低床バス用の車イススロープが常設されているバス停(すべてのバス停にあれば!!) その下の写真の路面案内板は、実際に視覚障害のある方達に立ち会って頂き、どの位置に案内板があれば見やすいのか、という検証に基づき開発されたそうです。環境整備の重要性、勉強になりました!



昼食は、多機能型事業所「あけぼのの家」さんのパン! 噂にはお聞きしていましたが、これ、本当に美味! 「『福祉だから』で買って頂くようではダメ、本当に美味しいモノをつくろう!」という思いで、実際にプロのパンやさんに助言いただいたそうです。職場のお土産にクッキーやラスクを買って帰ったのですが、翌日には無くなっていました。通販はされていないのでしょうか?


福祉用具の展示コーナー。様々なタイプの車イス、特殊食器、意思伝達装置、介護用リフトなど、ないものはないのではないかと思えるほどの福祉機器が展示されていました。(チタン製チェアスキーも展示されていましたが、最新のチェアスキーは、レーシングカーと同じカーボン製とのことでした。)






篠山市にある株式会社「おめめどう」さんが開発されたコミュニケーションメモ帳。沢山の種類があります。写真下右側のメモは「どうしてメモ(氷山モデル)」で、おにぎりの形の線より上の部分に結果を、下の部分に理由を書きます(例.上:家で遊びます、下:雨が降っているからです)。もう1つの使い方は、困った事を共有、解決を探るツールとして活用します。氷山は水面下に大部分が隠れています。そこで、上に困っていることを(人を叩く、つばをはく)、下に原因や理由(コミュニケーションがとれない、要求や拒否が言えない、感覚過敏)を書き込み、当事者、支援者双方の「とうして」を探る手がかりにします。 う~ん、よくできてます。


重度重複障害のある方達が、障害のない方達と等しく地域で「普通に暮らす」ためには、様々な課題があります。中でも住宅確保はとても切実な課題で、昨年8月に見学させていただいた横浜市の社会福祉法人「訪問の家」さんのグループホーム(重心の方が暮らされることを前提に、住宅を設計、建築)にも感動しましたが、今回の見学の1つのメインがこの「テクノハウス神戸」です。完全バリアフリーはいうまでもなく、障害のある方達が生活する家として、様々な工夫が随所に施されていました。





写真左の白い警報器は、視覚・聴覚障害のある方へ火災警報をお知らせする臭気(わさび臭)発生装置で、建物内4箇所に設置されています。写真下右は、コントロールモニターと息の吹きかけ・吸い込みで起動するスイッチです。




視覚・聴覚障害のある方が建物全体の施錠状態を把握できるボード

トイレも様々。写真左上は、上下可能式のトイレ。写真下のお風呂も左右の台が可動するため、どちらからでもアプローチが可能!



最後に教えていただいたのは、自閉的傾向のある方へのコミュニケーション補助ツール、任天堂DS「あのね」。直接任天堂にかけあって協同開発されたそうです。会話補助(入力語句のおしゃべり機能)やスケジュール登録管理、タイマー機能(次のスケジュールまでの残り時間掲示等)、写真の取り込み等が可能なスグレモノです。だれでも安価で購入できるゲーム機という発想も凄いのですが、スマホやタブレットと違い、壊れても修繕が安価という、実際の使用後を想定し、メンテ経費まで考え、開発された点が何より凄い!。「ないものは作ったらエエねん」と一言。かっこ良すぎます。

ここには掲載できないほど、沢山の発見がありました。実際に現地へ出かけ、実感すること、やはりとても大事であると再認識しました。利用者さんも職員も、施設にこもりっきりではあきまへん。
大西先輩! 本当にありがとうございました。重度重複障害のある方達が住み慣れた地域で、安心、安全、人として「普通に暮らす」ことを実現するためのイメージが見えてきました。同行させていただいた若手スタッフにとっても、大変良い刺激になりました。恐らくすぐ(?)相談に伺いますので、これからもご指導、ご助言をお願いいたします!! 「ないもんは作ったらエエねん」・・・・。このフレーズ、使わせて頂きます。
(ささゆり園 園長 加藤)
カテゴリ: 他施設訪問・学習会
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